3/20/2024

国破れて山河在り 城春にして草木深し


熊大病院東病棟10Fから北西側を臨んだ景色(3/14撮影)
中央に小さく見えるのが熊本城。
奥は河内方面の山並み、手前は白川だ

「国破れて山河在り 城春にして草木深し」
で始まる有名な漢詩は我々が高1の時、
ロンパリの花ちゃん(恩師)が投げることによって、
結果的に思いがけない方向から飛んでくる、
言わばノールックパスみたいなチョークを、
巧みに掻い潜りつつ覚えた「春望」の一節。
詠んだのは「詩聖」と称された律詩の大家・杜甫である。

あれから50年余り、
今となっては、小生は言うまでも無く、
諸兄に於かれてもきっと「もう忘れてしまった」、
と仰る方が多いだろうから、
現代文にて全文をご紹介しておこう。
Today's BGM
万里の河(佐藤竹善)
蘇州夜曲(アン・サリー)
Heart of Gold(Neil Young)
一番高く見える山が金峰山(665m)、
仏舎利塔が見えるのが花岡山(133m)。
白川に架かる左の橋は世継橋、その右が新世継橋(3/9撮影)

国破れて山河在り 城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月(さんげつ)に連なり 家書万金に抵(あた)る
白頭掻けば更に短く
渾(すべ)て簪(しん)に勝(た)へざらんと欲す

意味は、こうだ。
我が朝廷は国家が破壊されてしまったというのに山河は今もここにある。
長安の町は春を迎えたけれど草木だけが勢いよく生い茂っている。
世の移り変わりに心痛み、花を見ても涙が流れる。
家族との別れを思って鳥のさえずりにもびくびくしてしまう。
戦の狼煙は三か月続き、
家からの手紙は万金に値する。
白くなった頭を掻けばいっそう短くなり、
かぶり物のかんざしを刺すこともできない。

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唐の詩人・杜甫(712~770)

3/18/2024

普通の人間に戻れるか、或いはサイボーグに?


放射線治療装置

頭部MRIの画像には(主治医から何も指摘が無かったので)、
特に異常は見つからなかったようだ。

しかし、PETでは右肺の傍のリンパ節に小さく光るものがあり、
必ずしもそれが癌だとは限らないが、
実際に手術して取り除いてみる以外に確認の方法が無く、
心機能が弱っている小生の場合はその方法が取れないため、
それも癌だと想定した上で約ひと月半入院。
右肺の癌と一緒に放射線+抗癌剤による治療で、
完膚なきまでに叩きのめす方針だそう。
Today's BGM
春を待つ手紙(吉田拓郎)
願わくば桜の下で(日野美歌)
Heart of Mine(Bobby Caldwell)


因みに、リンパ節が癌だった場合の評価はステージⅡのB、
癌じゃ無ければステージⅠのB。
つまり膀胱癌の序(ついで)に偶々、
早期発見の形で見つかった肺癌に関しては、
「不幸中の幸い」と言えるだろう。
もちろん完治すればの話だが…。

一方、2回目の膀胱癌切除の検査結果が出るまでは、
2~3週間掛かるらしく、早くて今月25日。
浸潤が浅ければBCG(ウシ型弱毒結核菌)注入という、
荒療治?を週1で6週間掛けて行い、
普通の元の体に戻すことが可能だそうだが、
仮に浸潤が深い場合は膀胱自体を全摘。
そしてサイボーグ宜しく、
脱着式のビニール袋を腰にブラ提げるといった、
涙、涙の尿路変更手術を受けなければならないのだそう。

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3/17/2024

2回目の膀胱癌切除



人生初のPET検査から3日後、
馴染みの総合病院で造影剤を使った頭部MRIを実施。
MRIとは、Magnetic(磁気)、Resonance (共鳴)、
Imaging(画像)の頭文字を取ったもので、
正式には「磁気共鳴画像撮影法」と言うらしい。

一方CTとは、Computed(コンピューター利用)、
Tomography(断層撮影)の略で、
X線を用いて体の断層写真を撮影する検査のこと。
1/5に腹部(造影剤使用)のCTを撮った際、
今回の肺癌が写っていたので、
なかなか侮れない検査と言えるだろう。
(胸部レントゲンは割と頻繁に撮っているが、
これまで異常を指摘されたことは一度も無かった。
つまり癌の早期発見にはあまり適さないということか)
Today's BGM
(河口恭吾)
春の風(熊木杏里)
Change The World(Eric Clapton)


PETとMRIの検査結果は、
それぞれの医療機関から熊大に送られ、
呼吸器科の担当医から告げられる仕組みになっていたんだが、
3/8に再度、膀胱癌の2回目の切除のため、
熊大泌尿器科に入院。

同11日に約3時間足らず、
初回に比べたら遥かに楽に感じた手術を終え、
頻尿こそ相変わらず続いていたものの、
血尿が割と少なめだったことが幸いし、週末を待たず、
14~15日には退院できるだろうとの見通しが立った。
その前日の13日、呼吸器内科の生検担当主治医から、
「先日の検査結果(PET検査、頭部MRI)と、
今後の治療方針等々をお話ししたいと思います。
退院の日には奥様がお見えになりますよね?」

わざわざ家内の同席を確認したということは、
勘のいい人ならお分かりの筈。
そう、良くない結果を伝える用意があるというワケなのだ。

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3/16/2024

我慢と焦りのPET検査 #2



3/1に実施した人生初のPET検査はと言うと、
道に散々迷った挙句、
予約時間(11:30)の15分前に到着し、
氏名や連絡先等々を記入したにも拘わらず、
問診の呼び出しがあったのは、
予約から30分以上過ぎた正午過ぎ。

病歴や受診した経緯等々の質問に応じていると、
例によって尿意がふと湧いて来たので、
「済みません、トイレをお借りしていいですか?」
「どうぞどうぞ、終わったらまたこの席に」
しかし待てど暮らせど彼女はやって来ない。
コッチは押っ取り刀で駆け付けたと云うのに、
問診の途中でメシでも食っているんだろうか?
それとも何か急な事態でも?
Today's BGM
暖簾(永井龍雲)
春なのに(柏原芳恵)
Clair(Gilbert O'Sullivan)


等と考えを巡らせていると約10分後、
再び現れた女性は、
「では先生から検査の説明・注意をして貰いますので、
こちらへどうぞ」

ドクターの説明自体は、そう長いものでは無かったのだが、
こちらがちゃんと聞いて(理解して)いるのかを、
どうやら確かめずには居れない性質のご様子で、
相槌を打つのが少しでも遅れると、
同じフレーズを2度繰り返されてしまうため、
酔客の相手をする居酒屋の女将宜しく、
「はぁはぁ、なる程」「あぁ、そうなんですね」と、
最後までずっと言いっ放し。
検査前に正直、これで草臥(くたび)れた。

因みに費用は、〆て29,510円。
全て終わったのが15時過ぎ。
その間、トイレを借りたのが計6回。
(往路で5回、帰路で4回を併せると合計15回)
なお、PET検査の仕組みについては、
こちら(PET検査の基礎知識とわかり易い解説)を参照されたし。

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3/15/2024

失禁寸前!我慢と焦りのPET検査 #1



2/19に生検を実施。
2/26に確定した肺癌について、
今のところは概ね初期の段階であろうとの判断の下、
内臓を中心にした腹部PET検査と、
造影剤を使った頭部MRIを実施することになった。

何れも肺癌が他の部位に転移していないか、
或いは体が別の癌に侵されていないか、
の2点を調べるためだ。
無論、また癌が新たに見つかれば、
ただ事では済まない。
Today's BGM
桜坂(福山雅治)
ハルノヒ(あいみょん)
Daniel(Elton John)


さて、2度目の退院から僅か3日後、
患者が多くて、とてもじゃないけど捌き切れないという、
熊大放射線部の外注先、
熊本市中央区は出水の魚住クリニックを受診。
ヒガバイの中央病院とゆめタウンの間を奥に進んだ所だ。

「付近で下水道工事をやっていて、ご迷惑をお掛けしますが、
迂回路は現場の方が教えてくれると思います」
との連絡を事前に貰っていたし、
この辺りは子どもの頃、割とよく遊んだ場所でもあったので、
「はいはい」と気軽に答えていたんだが、
イザ来てみると、ぎっちょんちょん。

現場のおっさんの案内は、
「ぎゃん行って、ぎゃん行って、ぎゃん」と凄く大雑把だし、
其処もかしこも穴と看板だらけで、
行けども行けども辿り着かないどころか、
最早失禁&遅刻の恐れすらも。
そして同じ道をぐるぐる3回周った所で遂に頭に来て、
ナビのスイッチを切ってやったら見事3分後、目的地に到着。
こういう時は、やはり勘に頼るに限る。

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