熊大病院東病棟10Fから北西側を臨んだ景色(3/14撮影)
中央に小さく見えるのが熊本城。
奥は河内方面の山並み、手前は白川だ
「国破れて山河在り 城春にして草木深し」
で始まる有名な漢詩は我々が高1の時、
ロンパリの花ちゃん(恩師)が投げることによって、
結果的に思いがけない方向から飛んでくる、
言わばノールックパスみたいなチョークを、
巧みに掻い潜りつつ覚えた「春望」の一節。
詠んだのは「詩聖」と称された律詩の大家・杜甫である。
あれから50年余り、
今となっては、小生は言うまでも無く、
諸兄に於かれてもきっと「もう忘れてしまった」、
と仰る方が多いだろうから、
現代文にて全文をご紹介しておこう。
一番高く見える山が金峰山(665m)、万里の河(佐藤竹善)
Today's BGM
蘇州夜曲(アン・サリー)
Heart of Gold(Neil Young)
仏舎利塔が見えるのが花岡山(133m)。
白川に架かる左の橋は世継橋、その右が新世継橋(3/9撮影)
国破れて山河在り 城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月(さんげつ)に連なり 家書万金に抵(あた)る
白頭掻けば更に短く
渾(すべ)て簪(しん)に勝(た)へざらんと欲す
意味は、こうだ。
我が朝廷は国家が破壊されてしまったというのに山河は今もここにある。
長安の町は春を迎えたけれど草木だけが勢いよく生い茂っている。
世の移り変わりに心痛み、花を見ても涙が流れる。
家族との別れを思って鳥のさえずりにもびくびくしてしまう。
戦の狼煙は三か月続き、
家からの手紙は万金に値する。
白くなった頭を掻けばいっそう短くなり、
かぶり物のかんざしを刺すこともできない。
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唐の詩人・杜甫(712~770)